上田市にある信州大学 繊維学部キャンパスにおじゃまして、講義を受けてきました。
「未来型医療と人工臓器」というお題目で、どんなお話なのか興味津々でした。
上田市には4つの大学がある
我が家から車で45〜60分くらい走ったところに上田市があります。
ここには4つの大学があり、その4つの大学で順番に講義を行う『4大学リレー講座「未来学科」』という企画があったので、参加してみることにしました。
上田4大学でリレー講座2013開催 「未来学科」(11/9, 11/23, 11/30, 12/8)
- 信州大学 繊維学部 (11/9)
演題「未来型医療と人工臓器」 - 長野県工科短期大学校 (11/23)
演題 「3次元CGにおける形状のモデリング」 - 長野大学 (11/30)
演題 「子どもの声を聴く」~児童精神医学の知見を通して~ - 上田女子短期大学 (12/8)
演題「言葉でつながる」~日本語再発見~
先週末はこの第1回目、信州大学 繊維学部キャンパスの「未来型医療と人工臓器」という講義を受けてきました。
信州大学 繊維学部
長野県にある国立大学は信州大学ですね。
長野大学とか松本大学とかそれっぽい名前の大学はありますが、いずれも国立ではありません。
信州大学は長野市、上田市、松本市、上伊那郡南箕輪村にあるとのこと。
今回の講義は上田市にある繊維学部で行われました。
この繊維学部は由緒正しいらしく、100年以上の歴史があるとか。
もともと長野では生糸の生産が盛んだったので、蚕糸に関する専門学校を設立したのが始まりだそうです。
「繊維学部」という学部も国内唯一らしいです。
キャンパスの入り口をくぐっていきます。
キャンパス内も紅葉がキレイですね〜!
講義開始前にちょっとだけ歩いたのですが、学生時代の母校の雰囲気を思い出しました。
今回の講義は、こちらの講義棟で行われました。
早速受付して、教室に入っていきます。
講義「未来型医療と人工臓器」
教室も懐かしい感じでしたね。
各席に電源とLANの口があるあたり、最近の大学の設備が揃っている感じがします。
まあ、この講義棟が新しいだけかもしれませんが???
「繊維学部」と「医療」?「人工臓器」?
さて、講義ですが・・・
最初、信州大学の「繊維学部」と「医療」や「人工臓器」というのがどう結びつくのか全く分かりませんでした。
で、講義を聞いて「なるほど」と納得。
最初のスライドで「生体は繊維だ!」とあり、言われてみれば皮膚組織だろうが神経組織だろうが筋肉組織だろうが、とにかく繊維だと言われたらそうですね。
人工心肺装置や人工血管、人工皮膚、人工腎臓、人工骨など、人工臓器も繊維素材を使ったものが多数作り出されているとのこと。
「繊維」と「医学」を結びつけたあたりに発展性を感じました。
臓器移植、脳死、死生観など幅広く講義
また、人工臓器につきものの臓器移植といった話から、心臓死や脳死といった倫理的なお話、宗教や死語の世界など死生観に関するお話、最先端のiPS細胞のお話など、幅広く講義が行われました。
ただ、どうも教授は倫理的なお話や死生観に関するお話に熱が入っちゃったみたいで、タイトルにあった人工臓器のお話や未来型医療のお話がサラッと終わっちゃった感があったのは残念 (-“-;
受講生の平均年齢は高かった
お題目が「未来型医療と人工臓器」というものだったからか、受講者の平均年齢はだいぶ高い感じでした。
(定年したかしてないかくらい?)
たぶん、20代なんてうちの嫁さんくらいしかいなかったんじゃないかな・・・
ちょっと場違い感を感じてしまいましたね (^^;
内容的には、若い世代も聞いて面白い内容だし、中高生も出られるのだから、こういう講座を受けてみたらいいのになと思いました。
そもそもこのリレー講座のことって、どのくらい市民に知られているのでしょうね。
今回の講座はほぼ満席だったそうですが、次回以降がどうなのか気になります。
キャンパス見学
講義が終わったら、キャンパス見学です。
講義以上に何故か期待してました (笑
学生時代、他の大学のキャンパスって結局ほとんど行かなかったんですよね。
東京の友達なんてほぼいなかったから横のつながりはないし、サークル活動で他大学と絡むなんてこともほぼなくて。
そんな訳で、キャンパス内を歩き回れるのは、なんだかウキウキしました (^o^)
講堂 (旧 上田蚕糸専門学校講堂) 登録有形文化財
信州大学繊維学部の写真でよく出てくるのがこの建物のようです。
登録有形文化財の講堂 (旧 上田蚕糸専門学校講堂)です。
昭和4年にできたらしく、レトロな雰囲気がバリバリです。
講堂内。オペラとか演劇ができそうですね。ダンスパーティとか?
繊維学部の卒業式なんかはここでするそうです。
講堂内には、蚕糸のシンボルである桑、繭、蛾の意匠が各所にあるとのことで、柱や舞台にある台など、探してみると確かにたくさんありました。
現代の感覚だと、桑や繭はともかく、蛾の意匠ってあまりウケそうにないですね (^^;
2階建ての吹き抜け構造で、2階部分には座席があります。
2階にも上がってみました。
下の様子がよく見えます。
このシャンデリアもなんだかオシャレ。
Fii (ファイバーイノベーションインキュベータ施設)
こちらは産学連携の施設だそうです。
通称「Fii」で、「ファイバーイノベーションインキュベータ施設」というそうです。
ここの中では繊維関係の企業が入っていて、大学とともに研究活動をしているとのこと。
そういう事情で1階のロビーくらいしか入れませんでした。
入っている会社名を見ると、国内の大手が入ってますね。
植物工場、資料館など
その他、植物工場を研究している施設や資料館なども訪れました。
歩きまわりながらちらちら見ていたのですが、企業とのタイアップ施設がチラホラ見えました。
「Fii」だけでなく、ベンチャー関連の建物とかもあり、興味がそそられます。
残念ながら、その辺は見学ツアーにありませんでしたが。
学生が集まるホールのようなところに行くと、就職説明会だけでなく、起業セミナーのようなポスターも貼られていて、進路が多様化してきている感じがしました。
キャンパスは一般人も入れる
なお、キャンパス内は一般でも普通に入ってこれるようになっているので、食堂でご飯を食べて行く人もいるそうです。
車が停められるのかはわかりませんが・・・
一般向けの公開講座もあるそうで、楽しそうですね。
また大学に行ってみたいキモチになりましたよ。
繊維学部だけど、感性工学や機械、ロボット、生物、環境など幅広く
繊維学部というので、素材の研究など、どちらかというと化学寄りのことをやっているところかと思っていたのですが、そんなことなかったですね!
人の「感性」を扱う感性工学があったり、機械やロボットを作ったり、生物に応用したり、環境関係のこともやっていたりするようです。
ロボットを使った自律システムとか、ロボティクススーツ、月面走行ロボなどの開発をしているとは驚きました。
本当に幅広く色々やっているので、「繊維学部」という名前から想像する範囲を超えています。
それこそ、お題目のような研究をしているなんて想像してなかったですからね。
もしかすると、高校生が志望校選びをする際、「繊維学部」という名前でこの学科を選択肢から外しているとしたら勿体無いですね。
こりゃすごいな、とか、こんなこともやってるの?、と思える研究が多数あるので、一度調べてみる価値はあります。
講義を受けにきて、未体験ゾーンが広がった感じがしました。
次回以降の講座も申し込んでいるので、他の大学がどうなっているのか楽しみです (^o^)