「人の話を聴けない」と言う人は、人の話を聴こうとするからうまくいかない

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「人の話が聴けない」という問題意識を持っている人は一定数いるようです。

コーチングやカウンセリングをしているときには当然「人の話を聴く」必要があるのですが、その時に私がどんなことをしているのか、「人の話を聴く」ときに意識してやっていることについて書いてみます。

人の話は、よく聴かないようにした方がうまく聴ける?

人の話が聴けない、という人は、むしろ人の話を聴こうとしない方がいいかもしれません。

「人の話を聴こう」、「人の話を聴こう」とするほどに、だめになっていきます。

そうなるくらいなら、人の話を聴こうとしない方がよっぽどいいです。

ストップ赤信号

音として捉えてみる

そういう人は、人が話していることを、音だと思って捉えてください。

何の意味もない音です。

川のせせらぎ、木々のざわめき、虫の鳴き声、風の音、みたいなものです。

両耳で、音として捉えるようにしましょう。

音として捉えていれば、そこに意味なんてありませんから、あなたはひとことも喋ってはいけません。

風の音が聞こえる度に何か喋ってる人って、ちょっと変な人じゃないですか (笑

そのくらいのつもりで、自分はひとことも発することなく、ただただ人の声を音として捉えることを、やってみてください。

これは本当に「人の話を聴く」ために役立つトレーニングになります。

人の話を理解しようとするほど、人の話を聴かなくなる

というのも、私たちは「人の話を聴こう」と意識すると、自動的に「話を理解しようとしてしまう」からです。

人の話を理解しようとすると、自分の価値観、考え方や、自分のペースなど、自分の世界観が出てきます。

すると、自分の理解できる範囲でしか話が聞けなくなるのですね。

自分が理解できる範囲だけ拾って、理解できないところは無視したり、歪めてしまったりします。

場合によっては、自分の価値観では受け入れられないものに感情を動かされたりすることもあるでしょう。

勘違いしてしまう、なんてこともよく起こります。

分かれ道

「聴くこと」と「理解すること」を分ける

こんな風に、私たちは「人の話を聴こう」と意識するほど、連動して「相手の話を理解しよう」と力が入ってしまい、返ってうまくいかないんですね。

「人の話を聴く」つもりがあるなら、「聴く」というプロセスと「理解する」というプロセスを分ける必要があります。

そこがうまくいってないうちは、「人の話を聴く」ことなんてできません。

だから、「人の話が聴けない」と思っている人は、先に書いたように、人の話を音だと思って聴くようトレーニングしてみてください。

「聴くこと」と「理解すること」を分ける。この感覚が非常に重要です。

交差点

おわりに

私がコーチングなどをしている時に意識していることを書いてみたのですが、いかがでしょうか。

他人とコミュニケーションするときは、「何を言っているのか」よりも、「どのように言っているのか」の方が遥かに重要です。

相手を見て、聞いて、感じることの方が大事です。

相手が「何を言っているのか」に引っ張られるとロクなことになりません。

もし、コーチングの際に私が相手の話を理解することに力を使ったら、相手の成果を歪めかねません。

私の世界観の中で、うまくいくと思ったことだけGoサインを出すようになるからです。

私の世界観なんてとても限定的な世界です。

無限の可能性を、そんな限定的な世界にはめ込むというのは、あまり役に立たないアイデアです。

「No judgement (判断しない)」というのが、「人の話を聴く」ための基本姿勢になるのです。

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