タスクを設定する中で、最も重要なことは、そのタスクのゴールがちゃんと体感的に決まっていることです。
この「体感的にゴールが決まっている」感覚がわかれば、達成するタスクが劇的に増えます。
具体的で明確なゴールが決まっているか
なんとなく「メールを返信する」というようなタスクを作っていないでしょうか。
「メールを返信する」がタスクだったとして、そのゴールは具体的にどうなっていますか?
メールは次々やってきますし、それもこれも全部に対して返信することがゴールでしょうか?
中には返さなくていいものもあれば、見る必要すら無いものがあります。
具体的なゴールは自分がわかっていればいいのですが、それもあまり考えずにタスクとして登録しているタスクは、たぶんずっと完了されないまま、なんとなく次の日、また次の日と繰り越していくことになるでしょう。
タスクのゴールが体感的に想像できるか
タスクをこなしていくには、「タスクのゴールが体感的に想像できるか」ということが重要になってきます。
例えば「歯磨きをする」というタスク。
このタスクなら完了できますよね。
「歯磨きをする」というのが、どういうことか体感的に想像できるからです。
では、歯磨きを知らない人に、「歯磨きをする」ことを教えることを考えてみてください。
どうして歯磨きをするのか、どのようにするのか、一つ一つの動作を教えると思ってください。
これ、何気に、かなり難しいと思いませんか?
私は虫歯ができた時に、歯医者さんに行って、歯磨き指導を受けました。
その歯磨き指導では、これまで誰も教えてくれなかったことが含まれていました。
そう考えると、「歯磨きをする」というタスクはとても奥が深く、何をもって完了とするかなかなか難しいものだということがわかります。
私たちは「歯磨きをする」というタスクを当たり前のようにやっていますが、実のところかなり難しいタスクをしているのです。
それでも「歯磨きをする」というタスクを完了とみなすことができるのは、「自分なりに『歯磨きをする』というのはこういうこと」と、体感的にわかっているからです。
もし「歯磨きをする」のゴールを「虫歯の原因を根本から取り除く」と設定していたら、たぶん完了できないタスクになっていることでしょう。
それは達成できないゴールだからです。
体感的に想像できないタスクは完了しない
では例えば、「1億円稼ぐ」というタスクを作ったとします。
これは私には実現することが難しいです。
なぜなら、1億円を稼いだことがないということもあり、体感的に想像できないからです。
「今は月額いくら稼いでいるから、○年続ければ1億円になるな」という風に頭の中で計算することはできますが、全くもって、リアリティがないです。
同じように、私たちは頭の中で処理をして、全くもって五感に感じられるようなリアリティもないまま、タスクをリストに登録しがちです。
そういったタスクが、いつまで経っても完了できずに、残り続けます。
タスクを細切れにするとゴールが想像しやすくなる
では、「ゴールが体感的に想像できる」ようにするにはどうしたらよいでしょうか?
一番簡単なやり方は、タスクを細切れにすることです。
「1億円稼ぐ」のは想像できませんが、「10万円稼ぐ」なら体感的に想像できます。
私だったら、冬場にスキーインストラクターのバイトにガンガン入れば、1ヶ月でそのくらいは稼げるかな〜とか、そういうことを考えます。
それなら実現できそうな感覚があります。
そういうタスクなら完了することができます。
体感的にゴールが決まっているからです。
そして、計算上は「10万円を1,000回やれば1億円」ですが、私には「10万円を1,000回も稼ぐ」というのが想像できないので、おそらくこのやり方では「1億円稼ぐ」ことは実現できないことでしょう。
もしそれができるなら、裕福なスキーインストラクターが身近にいるはずですが、あいにくそんなインストラクターには会ったことがありません (笑
つまり、そもそも「1億円稼ぐ」というタスクが、タスクとして成り立っていないのです。
「これだったら1億円が稼げる」と、あなたが体感的に想像できるタスクリストを考える必要があります。
もしそんなタスクリストがあれば教えてください (笑
タスクのゴールを設定する
あとは、タスクのゴールを設定することが重要です。
実はタスクを細切れにすると、ゴール設定を同時にしているから達成できるタスクになりやすいのです。
何をもって、完了とするか。
完了したか、しなかったかがハッキリ分かるか。
ここが決まっていれば、完了できるタスクになります。
完了した/していないがハッキリ分かるというのは、例えば数値で表されることが多いでしょう。
ビジネスでは数値で目標を設定しますよね。
それなら、目標が達成したかしなかったかのどちらかがハッキリ分かるからです。
例えば、「メールを返信する」だと、何をどこまでやったら完了かわかりません。
なので、タスクを分解して、
- 午前8時時点で受信箱にある全メールを読む
- 読んだメールの中で、即返信するメールに返信する
と、したとします。
1つ目は、ゴールが決まっていて、完了したかわかるようになっています。
「読む」のは動作なので、やったかわかりますよね。
「全メールを理解する」としたら、ちょっと難しいタスクになるでしょうね。
知的活動が必要になり、ゴール設定が難しいので。
2つ目は、「即返信するメール」の基準が自分の中で体感的にわかっていれば、完了できるタスクになります。
こんな感じで、全てを明確に文字で表現する必要はないです。
「自分が体感的にわかっていることでタスクを表現すること」が重要です。
私たちはなんとなくタスクを書き出している段階で、ここまで考えずに書いていることが多いです。
おわりに
自分のタスクを見直していると、ゴールが体感的に想像できないものが後回しになっていることがよくわかります。
あなたのタスクリストの中に「1億円稼ぐ」みたいなタスクを入れちゃっていませんか? (苦笑
感覚的に何をやったらいいかよくわかっていないやつです。
「1億円稼ぐ」のは難しいかもしれませんが、そのタスクを細切れにしてみたら、「1億円稼ぐ」ことが体感的に想像できるかもしれません。
ぜひタスクリストを見返してみて、ひとつひとつ、体感的に想像できるゴールを設定していってください。
そうすると、完了できるタスクが増えます。
やっているうちにこのゴール設定がうまくなってくるので、意識してやってみてください。