この本、先週の頭に読み始めたのですが、何だか胸に響くものがあり、3回も読み返しちゃいました! ( ・`д・´)
「戦略BASiCS」をベースにした物語
本書は、著者の佐藤 義典氏が提唱しているマーケティング戦略である「戦略BASiCS」をベースにした物語を展開しています。
主人公はある広告代理店に務める4年目社会人。
物語は「戦略BASiCS」の考え方をベースに進行していき、具体的なビジネスの進め方や、主人公の生き方や考え方が変わっていくプロセスが描かれています。
物語の中では、主人公は「戦略BASiCS」を身につけていくことで、大きく考え方が変わり、行動が変わって行きます。
そして、仕事がうまくいくようになり、私生活もハッピーになっていきます。
一読すると「戦略BASiCS」とはどういうもの?ということが自然と分かるようになっています。
本当に良本ですね。
「マーケティング戦略」は「人生戦略」にも使える?
本書の中では、マーケティング戦略として著者が提唱している「戦略BASiCS」を取り扱っています。
マーケティング戦略は、平たく言えばモノを売るための戦略ですよね。
商品の特性や強みを見極めたり、どんな人に買ってもらうかターゲットを決めたり、その商品をどのように見せるか、伝えていくかといったことを考えます。
本書の素晴らしいところは、そのマーケティング戦略を、人生戦略に当てはめていて、それが思いの外しっくりくることが描かれているところです。
いや〜、マーケティング戦略って、そのまま「自分がどうやってこれから生きていくか」という戦略を考えるのにも使えるんですね!
これは私にとって新鮮な考え方でした。
人生戦略でどう使う?
例えば、就職活動や転職活動を思い浮かべるとかなりしっくりきます。
就職活動や転職活動では、「自分はどういう経験があって、何ができるから、こんな強みがあるから、御社でもお役に立てますよ」なんていうことを考えますよね?
有り体に言えば、自分を売り込んでいるわけなので、マーケティング戦略がうまくマッチします。
自分を売り込むためには、自己分析して、それを活かしてどうやって戦っていくか、なんていう戦略を考えるじゃないですか。
例: 強みが活きる場所で戦う
例えば、世界No.1のプログラマなら、プログラミングスキルを売りにしてIT企業に売り込むことができます。
でも、いくら世界No.1プログラマでも、オリンピックの100m走に出るからスポンサーになってくれ、なんて言ってスポーツメーカーに売り込んでも、多分ダメですよね。
戦う場所が違うから、全然役に立たないスキルです。
オリンピックの100m走に出るなら、国体優勝経験があるとか、そういう方が説得力があるじゃないですか。
だから、戦う場所によって、自分の強みって役に立ったり、立たなかったりするわけです。
逆に言うと、戦う場所が決まらないと、強みとか弱みとか決まらないのです。
先の例で言うと、IT企業に売り込むなら、100m走の国体優勝経験よりはプログラミングスキルの方が強みを活かして戦えるわけです。
100m走のスポンサーシップを勝ち取るなら、プログラミングスキルよりは国体優勝経験の方が強みを活かして戦えるわけです。
これが、「戦略BASiCS」の最初の要素である、「Battlefield (戦場、競合)」になります。
自分の強みを活かして戦える戦場を選ぼう、というわけです。
とっても当たり前のことです。
つまり、これを考えていない戦略は、うまくいかないわけです。
それはビジネスでも、人生でも。
なお、「戦略BASiCS」では、この「Battlefield (戦場、競合)」を含む5つの要素で成り立っており、その一貫性を保ちながら戦略を考えていきます。
明日を変える戦略としての「戦略BASiCS」
就職活動や転職活動にとどまらず、日々こういうことを考え続ける必要があるということを本書は訴えていると、私はとらえました。
マンネリ化して、なんとなく惰性で日々を過ごしていませんか?
「今は仕事もあるし、それなりにお金ももらえているし、ひとまずこのままでいいかな、そのうちいいことあるだろう」とか思っているようであれば、要注意です。
自分の本当にやりたいこととか、向いていることとか、そういったことができる人生にしていくには、明日を変える戦略が必要です。
その戦略として「戦略BASiCS」を使い、人生を変えていったサエナイ会社員が、本書の主人公です。
本書を読むにつれ、「私自身はどうだろうか?」と、幾度と無く考えさせられました。
ブランディング戦略にもなるか?
この「戦略BASiCS」の考え方は、そのまま自分のブランディング戦略にもなるでしょう。
ブランディングとは「自分がどういう人間であるか」を世の中に宣言することです。
どういう人間で、どういう経験があって、どういうことができて、・・・
というのを一言で伝えるとしたら、どんなメッセージになりますかね?
もし1メッセージでそのことが伝えられるようであれば、素晴らしいブランディングが成立していると言えるのではないでしょうか。
これは「戦略BASiCS」で言えば最後の要素、「Selling message (メッセージ)」となります。
まとめ
マーケティング戦略を学べるだけでなく、仕事の進め方も学べますし、「自分がこれからどうやって生きていくか」という人生戦略も学べる良本です。
読み進める中で、私自身、目が覚めるような思いでした。
人生このままでいいのかな?、何となく惰性でやっている気がする、不完全燃焼、・・・
そんなことを思うなら、明日を変える戦略として、「戦略BASiCS」の考え方を身につけてみてはいかがでしょうか。
関連書籍
「戦略BASiCS」が物語形式で学べる本には、次のようなものもあります。
読んでいて面白いし、マーケティング戦略も学べます。
「白いネコは何をくれた?」と同じように、一読するだけで「戦略BASiCS」の考え方がスイスイと入ってきます。
こちらの2冊も超オススメですね。