カウンセリングのことをどうやったら伝えられるかなーと日々考えています。
そんな中で、カウンセリングを実際にやっているところをフィクション小説風に書いてみるのも面白そうだと思い、書いてみました。
だいたいいつもこんな流れでやっています。
どんなことをするのか、どんな感じに進行するのかが掴んで頂けるといいですね。
登場人物紹介
- 藤堂 秀和:
NLPを活用したカウンセリングやコーチングをしている。夢とは1年前に大学時代の後輩から紹介され、コーチングをする。今でもちょくちょく相談に乗っている。 - 鳥居 夢:
社会人3年目。明るく行動力のある女の子。広告代理店に勤めている。1年前に職場の先輩に紹介されて秀和と出会い、彼のコーチングセッションを受けた。その時から何かにつけて相談に乗ってもらっている。
夢、カウンセリングを受ける
今日はこれから秀和さんのカウンセリングセッションだ。
どんなことを扱おうかな・・・そんなことを思いながら麻布十番の街を歩く。
場所はいつものカウンセリングルーム。
なんでも秀和さんの友人が借りている部屋らしく、こうしたカウンセリングやワークショップをするために時間貸ししている場所らしい。
パティオの前を通り、あるマンションの前で呼び鈴を鳴らす。
「すみませ〜ん、夢です」
「はーい、どうぞ〜」
秀和さんの声が聞こえると同時に、マンションの門のロックが開く。
私はいつもこうしてカウンセリングルームにやってくる。
「いらっしゃい」
「はい、お邪魔します」
そうして通されるマンションの一室。
普通の1Rマンションだ。
「じゃあここに座ってね」
そう言って秀和さんは椅子を勧めてくる。
そうして2人してハの字に置いた椅子に座る。
秀和さんのカウンセリングでは、基本的に対面で話を聞くことはないらしく、いつもこうして少し斜め横の位置でお話しする。
「今日はちょっと冷えるね」
椅子に座りながら秀和さんが話しかけてくる。
「そうですね。朝晩はまだ冷えますね」
「あれからどう?なんか違いはある?いい感じで過ごせてるかな?」
「はい、あれからすぐ上司の前に行けるようになりました」
前回扱ってもらったのは、私はちょっと上司が苦手、ということだ。
上司は40歳半ばの男性なんだけど、どうもそのくらいの年齢の男性で、威圧的な人がなんとなく苦手だった。
上司はまさにそんな人だったから、資料を見せに行くときとか、どうもすんなり行けず、まごまごしてて・・・
よく先輩に「早く行って来なよ」と後押しされていたものだ。
そんな上司の前に、すんなり行けるようになるといいなーというのが前回扱った内容だったんだけど・・・
これまたすごい効果があり、今では全く気にならなくなった。
むしろ上司の前に行くのがちょっと楽しいくらいだ。
そうして思い出していたら自然と笑っていたらしく、秀和さんに笑われちゃった。
ちょっと恥ずかしい。
「それじゃ、今日は何を扱う?何か気になっていることとか、解決したいことはある?」
「そうですね・・・」
そうしていつも秀和さんのカウンセリングは始まる。
「私の母のことなんですけど・・・どうも小言を言われるのが嫌で・・・」
私のお母さんは、何かにつけてお小言を言ってくる。
朝、気持ち良く体操してたら「早く行かないで大丈夫?」とか、夜ご飯を食べていても「もうちょっとおしとやかに食べてくれるとねぇ」とか、いつまでたっても子ども扱いだ。
この前はお風呂に入ってたらすごく気持ちよかったので、長湯してたんだけど、お風呂を上がってリビングに行ったら「あんたはいつも長湯だねぇ」なんて言われて、
私はそんなに毎日長湯してない!
と、ちょっとイラっときてしまったのだ。
何かにつけてそうして小言を引っ付けてくるところが、お母さんのちょっと嫌なところだ。
そんな風に話していると・・・
「OK。夢ちゃんは、お母さんに小言を言われたときに、嫌な気分になっちゃうんだね?」
「はい」
「もう反射的に?だいたいいつも?感じるのは同じような感じ?」
「そうですねぇ・・・全部が全部ってわけじゃないですけど、言われたときは少なからず気になります。イラっとくるまでのはさすがに頻繁ではないですけど」
「じゃあ、いつものようにお母さんが小言を言ってきたときに、夢ちゃんはどうであったらいい?」
「そうですねぇ・・・」
どうであったらいいか。
別に嬉しくなるようなものでもないし、強いて言えば、気にならなければいいかな・・・
「気にならなければいいですね」
「気にならない、というのはどういう感じ?」
「う〜〜ん・・・平常心というか、落ち着いた感じというか、余裕ある感じ?」
ちょっとわからなくなってきた。
「平常心、落ち着いた感じ、余裕ある感じ・・・それは全部同じような感じ?」
「ちょっと違いますね。あえて言うと余裕ある感じで聞けたら、気にならないんじゃないかな、と思います」
「OK。余裕ある感じで聞けたら、気にならない感じがするんだね」
「はい」
そうだな。お母さんに小言を言われるとだいたいいつも気にはなるけど、気持ちに余裕があるときはそんなに気にならない。
「じゃあ、お母さんが小言を言ってきたときに、余裕ある感じで聞けたらいいんだね。そうなっても平気?」
「はい」
平気も何も、万々歳だ。そうなったらいいだろうなぁ・・・
「じゃあ、今回はそのことを扱ってみよう」
後編はこちら。
おわりに
カウンセリングをしている状況をフィクション小説風に書いてみました。
こうやって書いてみるのも楽しいですね。
気がついたら結構書いていたので、分割してしまいました。
後半もどうぞお楽しみに〜 (笑