「神様の御用人」 つい神社に行きたくなる、神様について知りたくなる。そして大三島の大山祇神社が舞台の話もある!

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最近ハマって全巻一気読みしてしまった本がありました。

「神様の御用人」という本です。

神様の御用人

それまで池井戸潤作品を読み漁っていて、次は何を読もうかと思ってAmazonを巡回していたところで、ちょうど半額セールをやってた中にあって、気になったので第1巻をポチったのですが・・・

しばらく読んでいて「これは面白い!」と思って、結局、販売されている7巻まで全部一気に買って、読んじゃいました。

現代を生きる神様たちのお話

「神様の御用人」というタイトルどおり、主人公はいろいろな神様の困りごとを聞いては、七転八倒しながら解決していきます。

この本の設定で面白いなーと思ったのは、現代を生きる神様は大体みんな力をなくして弱っているということです。

神様は人の子に崇め奉られることで力を得るという設定になっているのですが・・・現代人はお祭りごともしないし、どんどん神様の存在そのものを忘れていっている状況にあり、そうなると神様も弱体化しちゃうというわけです。

弱体化というのは、具体的には、神様が記憶を失ったり、力が弱まったり、できることができなくなったり、最悪の場合は存在が消滅したりしています。

誰にも覚えてもらってない神様は、誰からも拝まれないわけで、存在していることができず、なくなっちゃうんですね。

あと、神頼みってあるじゃないですか。

大体、神社にお参りしたときには、お願い事をしますよね?

ただ、神様は別に人の子の個人的なお願いなんて聞きたくないんです。お金持ちになりたいとか、そういうお願い事を聞くのはもううんざりしています。

むしろ感謝されたり、崇められたり、畏れられたりすることを望んでいるのです。

この設定も面白いと思っていて、現代を生きる私たちと、古来からある神々の関係性をうまく表現している感じがしています。

第3巻で大山祗神社が舞台になっている!

本作の中で、私にとって何よりも重要なのは、第3巻で大三島大山祗神社が舞台になっていることです!

第2話のタイトルが「一人角力 (ひとりずもう)」だったので、これはもう間違いない!!と思って読んでみたら、やっぱりそうでした。

大三島に生まれ育って、大山祗神社に事あるごとにお参りして暮らしてましたし、結婚式も大山祗神社で挙げたくらいです。

そのくらい親しみのある場所なので、作中の描画から「ああ、あそこの田んぼなー」とか思いながら読んでいました。

大山祇神社 斎田

田舎だから、こういう風に小説の舞台に取り上げられることなんてほとんどないので、それだけでも嬉しくなってしまいます。

まあ、「一人角力」は生で見たことないんですけどね (笑

私はそんな大山祗神社に参拝しながら育ったからか、神社とか神様とかいう存在に少なからず興味があるんだと思います。

ちなみに、大山祗神社に祀られている大山祇神 (おおやまづみのかみ)はキングオブ山の神で、日本中の山の神様の中で一番えらい神様で、海の神だし戦の神だし豊穣の神だし酒の神だし、なんでもアリな感じです。

大山祇神社についてはたまに記事を書いてますね。参考までに。

大山祇神の娘や子孫も古事記や日本書紀には登場してくるので、作中ではちょくちょく記載があります。

娘は邇邇芸命 (ににぎのみこと)の奥さん=富士山の神様だし、孫は素盞嗚命 (すさのおのみこと)の奥さんになりますからね。

ついでにいうと、邇邇芸命の子孫は天皇になるし、素盞嗚命の娘は出雲大社の大国主神の奥さんになるしと、何かと有名な神様に連なる神様です。

そんな神話も本作を読んでるうちになんとなく頭に入ってくるのがまたよいです。

古事記やら日本書紀やら、ちょっと読んでは挫折してきた人にも楽しく読める本だと思います。

神社に行きたくなる

物語を読んでいると、いろいろな神社に行ってみたくなります。

舞台は京都なので、今度京都に行ったときは神社も巡ってみようかなーとか思う感じです。

作中では神様も悩み、困っていて、なんだか人間味があり、読んでいて優しい気持ちになります。

浮気しまくって奥さんに逃げられる出雲の縁結びの神様とか、心優しすぎて貧しいお家にするのを躊躇しちゃうような貧乏神とか、現代の洋菓子づくりに奔走するお菓子の神様とか、神様にもいろんな神様がいるんだなーと思うとおかしくなります。

最新の第7巻は月読命 (つくよみのみこと)を題材にしていて、とてもきれいなお話でした。

読んでいると優しい気持ちになり、神様って何だろう、神社ってどういうところだろう、というのをふと考える作品です。

おわりに

「神様の御用人」は、なんとなく見つけて、そのまま一気に読んじゃいました。

こういう本に出会ったのは久しぶりです。

やたら人間臭い神様と主人公とのやり取りや、神様の理不尽な要求 (甘いもの食わせろ!も含む)に翻弄されながら古代神話時代の謎解きがされていくという世界観が気に入りました。

内容はフィクションで、古事記や日本書紀の内容をそのまま伝えているわけではないのですが、もしかしたらこうだったんじゃないか、こういうこともあったんじゃないか、という作者なりの物語が面白いです。

あと、自然と古事記などで書かれている内容も頭に入ってきます。

こうやって神様のことを一柱ずつ物語とともに覚えていくと楽しいんだろうなぁ、という感じがしました。

次のお話が気になります。

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