[書評]「そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか」

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「そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか」という本を読んでみました。

タイトルからして釣り針っぽい感じがしましたが、ビビっときたので読んでみました。

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「好き」で「食う」ことはできるのか

こちらの本では、「好き」で「食う」ことはできるのか、という問いかけに対する、ひとつの答えを示そうとしています。

筆者の答えとしては、「できる」になるのでしょうね。

私もそれを望んでいますし、多分もっと多くの人が望んでいいと思っています。

序章に書かれている内容についてはかなり同意できる部分があります。

じゃあ、どうやったら「できる」のか。

「何をやるか」ではなく「どのようにやるか」

本書で終始一貫して主張しているのは、「何をやるか」ではなくて「どのようにやるか」です。

これは本当に大事なことですね。私も完全に同意です。

なんとなくですが、多くの人が「何をやるか」にフォーカスしすぎている感じがします。

システムエンジニアをやるんだ、とか。
そのためにはコンピュータの知識を、スキルを高めるんだ、とか。

それを極めに極めたら、独立できるとか、思い込んでいませんよね?

それは無理です。
例え世界一のプログラミングの天才でも無理です。

どうしてなのか?

本書で書かれていることをまとめると、このようになります。

  • 「好き」で「食う」ためには、3つの要素が必要
  • それは「バリュー」「システム」「クレジット」の3要素
  • スキルは「バリュー」でしかない

「システム」とは、「稼ぎの土台」(プロフィットモデル)を構築すること。

「クレジット」は個人的な信用を得ること。

「何をやるか」はあくまで「バリュー」に言及したことで、「どのようにやるか」は「システム」の話です。

本書は、この「システム」のことをメインテーマにしています。

「バリュー」だけあるとは、どういうことか

例え世界一のプログラミングの天才 (=「バリュー」はある)でも、マーケティングを知らないし課金の仕掛けもない (=「システム」がない)とお金を得ることはできませんよね。

あと、そもそも何してくれるかわからない (=「クレジット」がない)人のアプリなんて使いたくありません。

世界一のプログラミングの天才が作ったオンラインバンクのアプリで、超便利でデザインもかっこいい!世界中で使えるぞ!

でもその人は「犯罪歴あり」なんだ。
前に銀行システムをハックして不正入金したのがバレて捕まっている。

・・・なんて人のアプリを使うのは怖くないですか? (^^;

そんなわけで、世界一のプログラミングの天才を目指すことよりも、「システム」や「クレジット」を築くことに意識を向けましょう、と本書では説いています。

「バリュー」を高めることも大事だけれど、もし「好き」で「食う」つもりなら、「システム」や「クレジット」をについて考える必要がある、というのが本書の考え方です。

どんな「システム」があるの?

さて、本書のメインテーマ「システム」については、本書の帯、裏側にちょっと出ています。

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これは、課金の仕方を表しています。

単品を売ったら上がる (スポット)のか、継続的に課金する (ストック)のか、それともじわじわもらっていく (エクイティ)のか。

これを意識するだけでも、ビジネスモデルが変わりますよね。

パンを買うのと、携帯電話料金を払うのって、種類が違うじゃないですか。
上の3つの課金の仕方でいえば、どれがどれかわかりますか?

他にも、支払い方法や原資、商品、顧客といった切り口で「稼ぎの土台」(プロフィットモデル)を10パターン紹介しています。

AKB、ハーバード大学、ディズニーランド、Gree/モバゲー、進研ゼミ、大手町の花屋、200円弁当屋といったビジネスモデルについてより具体的に解説してあります。

トリンプが女性用の下着を男性に買わせるビジネスモデルなんて、
「すっげー!これは秀逸なモデルだー!?ていうかこうなると男としては買わざるを得んよね!?!?(; ・`д・´)」
とか思いました (笑

この喩え、マジでわかりやすかったです (笑

詳しくは本書をどうぞ ( ̄m  ̄)ムフ

この「稼ぎの土台」(プロフィットモデル)については大変参考になります。

私の事業や両親の事業など、いろいろ分析してみたら面白かったです。

こういうのは、まさに独立する前にもっと勉強しておきたかったと思いました。

起業までのステップ、なども書かれている

本書後半では、「起業までのステップ」なども書かれています。

が、個人的には前半の「稼ぎの土台」(プロフィットモデル)が目からうろこで、大変おもしろかったです。

後半は、前半とガラリと変わる内容ですし、個人的にはそこまでおもしろくなかったので、今回は紹介しないことにします。

本書の内容は本当に参考になるのか?

さて、本書の内容は本当に参考になるのか?というのも考えてみました。

それは、多分ですが、今は会社員をしていて、これから独立しようかと考え始めているくらいの人には、おそらく役に立たないと言われるのではないでしょうか。

こんなの当たり前だとか、成功しているビジネスモデルを分析しているんだから自分には関係ないとか、この「稼ぎの土台」(プロフィットモデル)を知っているからといって独立なんてできないだろうとか、・・・

「何をやるか」にフォーカスしすぎな人には、具体的に見えてこないと思います。

本書のメインテーマは、「何をやるか」といった具体的なことではなく、「どのようにやるか」を訴えています。

すなわち、ここで示されているツール「稼ぎの土台」(プロフィットモデル)を使って、自分だったらどうしたらいいか、どのように使えばいいかを考えることが大切なんです。

その位置に行っていない人が読んでも「何も具体的に教えてくれていない。これじゃ役に立たない」で終わるものでしょう。

この本には、答えはないのですから。

私も独立前に知りたかったとは思いますが、今だから思うことですね。

本気で起業しようと考え始めた時期から、世界を見る目が変わります。
そうすると、読む価値が高まる本です。

私としては、「そろそろ会社をやめようかなと思っている人」よりも、むしろすでに独立している起業家や個人事業主こそ読むといい、価値ある本だと思います。

なので、私はこの本を、起業家や個人事業主にオススメします (笑

あなたの事業モデルを、このプロフィットモデルで見たら、どうなのか。
照らし合わしてみると、新しいビジネスモデルが浮かんでくると思いますよ ( ・`д・´)

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