その問題、合っていますか?間違った問題を解いても害になるだけですよ

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その問題、合ってますか?

私たちはついつい、答えが合っているかどうかに終始しがちで、ちゃんとできたかとか、正しい解答をしたかとか、間違ったかとか考えがちです。

本書は、そもそもその問題設定が正しいか?というところに意識を向けさせてくれる本です。

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問題設定がまちがっていたら、害にしかならない

ドラッガーは著書『マネジメント』でこんなことを言っています。

まちがった問題に対する正しい答えほど、実りがないだけでなく害を与えるものは無い

これすごく興味深いことを表しています。

問題が解けちゃったら満足しちゃいますし、それが正しいものだからそれでいいんだと、疑うことを止めてしまいます

で、その答えとやらに固執しちゃって、問題は解けているのに、なんだかうまくいかない、どうしてだろう、というところに陥りがちです。

そもそもその問題が正しくなかったら害でしか無い、というドラッガーの言葉は言い得て妙ですね。

問題を解くことに意識を向け過ぎていないか

本書にも書かれていますが、世にある本は、問題を解くことに焦点を当てた本が多い感じがします。
ノウハウ本と言われるものはほぼそうですね。

こんな困ったことがある → こうしましょう
こういうときはどうしたらいいのか → こうすればうまくいきます

という本です。本屋さんに行けば溢れかえっています。

安直なものが多い印象ですが、私たちは問題そのものが問題か?なんて考えることなく、自然と解決方法の方に目を向けがちです。

困っていることは、実際は大して困ってなくて、本当は別の所に原因があったりすることなんて往々にしてあるものなのですが・・・

「問題意識」がなかなか作られない環境

思えば、学生時代は与えられた問題をとにかく解くことを強要されました。
我々はその問題が合っているかどうかを審査することはありません。

その延長で社会人になって、「問題意識を持て」とか言われても、難しいですよね。

あまつさえ、「問題意識を持て」と言われても、そういうこと言う上司から与えられた課題が、本当に正しいのか、検証したり質問している暇があったら、いいからさっさと解けと言われてしまったり。

結局、問題意識とやらを持つことよりも、問題解決の方に意識を向けてしまいます

問題設定に意識を向ける

じゃあ、どうやって正しい問題設定をするのか。
そこに対するアプローチが本書には書かれています。

私が面白いと思ったのは、著者は割と直感で決める、と書いていることです。
コンサル屋さんなので、色んなフレームワークを当てはめたりして、ロジカルにやっていくのかと思いきや、そうでもないそうです。

自分の経験からみて、こうじゃないか、という当たりを付けるところから始めるそうです

もちろん、その問題設定の仕方は10人10色で、どれが正解ということはないです。
ロジカルにやっていく人もいるし、経験値が足りないなら、フレームワークを駆使することも大事だということも書かれています。

そして、当たりを付けたところから仮説を立てて、本当にそうかと検証していくとのこと。

ここからは、「仮説思考」の領域。

ただ、問題設定にフォーカスした「論点思考」と、問題解決にフォーカスした「仮説思考」はそんなにキッパリ分けられるものではありません。
仮説を立てて検証していくうちに、新しい問題が出てきたり、そもそもの問題が間違っていることが発覚することもあるわけで、行ったり来たりを繰り返します。

問題を全部網羅してやろうとしてませんか?

問題を列挙しているうちに、山のように問題が出てきたりします。
どうしても問題は全て網羅し、全部解くことを意識してしまいますが、それじゃうまく行きません。

私は会社員時代、現場改善プロジェクトをいくつか担当していましたが、そんなに問題あるんだったら、きっぱり止めてしまえばいいじゃないかなんて思うことが多々ありました。
とはいえ、部署のメンツとか何とか色々あるので、なかなかそうはいかず (^^;

問題が列挙しきれていないと上司に言われては調査を重ね、プロジェクトを進めているうちにこんなこともあったと現場の人から言われ。
問題を積むことについてはよくよく教わりましたね (-“-;

でも、その問題、全部は解けません。
片方解いたら、片方が解けないとか。
時間やお金がないとか。よくある話じゃないですか。

その中で一番解くべき問題を選んで、解く必要があるのですが・・・

どの問題から解くのが真の「効果的」か

さて、一番効果ありそうな問題から解いたらいいですかね?
それとも、一番簡単な問題から解いたらいいですかね?

この場合、たいていの場合は、簡単なものから解いた方がうまくいく可能性がある、と本書では書かれています。

なぜなら、

前者を選択すると実行に時間がかかりすぎたり、途中で壁にぶつかったりして、論点の解決にいたらないケースがあるからだ

とのこと。

時間や予算、人員といったリソースがいくらでもあるなら、一番効果ありそうなものからやってもいいですが、私の経験上もうまくいった試しがないですね。

そもそも、効果ありそう、というところだって、立場が変わればなんとやらです。
AさんにはよくてもBさんには効果がなかったりするので、結局中間点を取ろうとする。
あるいはAさんが依頼主だから、Aさんが楽になるように調整するとか。

そんな風にしてしまいがち。

簡単な問題を解いてみたら、難しいと思っていた問題も難易度が下がったり、そもそも問題じゃなくなったりします

また、問題は時間や環境が変化すると変わっていくもの
そのとき効果があると思った問題でも、解くのに時間をかけてたら問題そのものが無意味になることだってありえます。

そう考えても、「解ける問題から解く」という戦略はいいですね

最適な問題設定ができれば、現象は解決する

問題設定そのものが難しく、そして最も大切。
そんなことを本書は伝えています。

かのアインシュタインも、問題設定の大切さについてこう言っています。

もし自分が死にそうになって、助かる方法を考えるのに1時間あるとしたら、最初の55分は適切な質問を探すのに費やすだろう

手当たり次第、思いつくままに問題を解いてたら、死んじゃいます。

適切な問題が設定できれば解決は近い、ということですね。

まとめ

本書は問題設定について書かれた本です。

問題の候補を見つけ出す方法や、絞り込む方法について、理論的にも直感的にも書かれています。

問題設定の流れをつかめるよう、ケーススタディも掲載されています。

問題設定に意識を向けることは、職種や立場に関係なく、また仕事だけじゃなくてプライベートでも役に立つことです。

是非、普段意識していないところにも、意識を向けてみてくださいね。

ちなみに、本書はこちらの本で紹介されていたので読んでみました。

書評はこちらの記事に書いております。
・リソースが限られているフリーランスは、やることをとにかく絞り込め!

本書の前に「100円のコーラを1000円で売る方法2」を読んだ方が、本書の内容を掴みやすかったですね。
この順番に読むのがオススメです。

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